毎日のパソコンの起動時間、記録できたら便利かも?
「今日は何時にパソコンを使い始めたかな?」
「何時間くらい作業してたんだろう?」
そんなふうに思ったこと、きっと一度はありますよね。
実は、PCの起動時間を自動で記録するだけで、日々の時間管理がぐんとラクになるんです。
たとえば、
- お仕事中の在宅ワークの勤怠チェック
- お子さまのPC利用状況の見守り
- 自分の勉強・作業時間の記録
など、さまざまな場面で“起動時間の見える化”が大活躍します。
今回は、**Windowsのバッチファイル(.bat)**という手軽な方法を使って、パソコンの起動時間を自動で記録するやり方をわかりやすく解説していきます。
プログラミング経験がない方でも大丈夫。
メモ帳が使えれば、誰でも簡単に始められますよ。
「これならできそう!」と思っていただけるように、やさしいステップで一緒に進めていきましょう♪
バッチファイルって何?初めてでも大丈夫!
- バッチファイルとは「一連の処理を自動で実行してくれるプログラム」のこと。
たとえば、複数のコマンドを順番にまとめて実行したいときにとても便利な仕組みです。 - 拡張子は「.bat」。ファイル名の最後が「.bat」になっていれば、それはバッチファイルです。
通常のテキストファイルと見た目は同じでも、内容にはコマンドが書かれています。 - メモ帳で簡単に作成できるので、特別なソフトは不要。思いついた時にすぐ試せるのが魅力です。
- ダブルクリックで実行できる“お手軽自動化ツール”なので、初心者でもすぐに使い始められます。
- 日常的な操作(ファイルのコピー、ログの記録、ソフトの起動など)を自動化できるので、
作業の時短やミスの予防にもつながります。 - 仕事だけでなく、趣味や家庭でのちょっとした用途にも応用できる、知っておいて損のないツールです。
PCの起動時間を取得する仕組み
- パソコンの起動時間を把握するためには、起動直後にその時点の日付と時刻を取得して、記録しておく必要があります。
- このとき便利なのが、Windowsで使える環境変数
%DATE%
と%TIME%
です。
これらはそれぞれ、現在の日付(例:2025/08/17)と、現在の時刻(例:14:35:21.42)を取得するためのものです。 - バッチファイルでは、これらの変数を利用して、ログファイルに「いつ起動されたか」を追記していきます。
- たとえば、
echo %DATE% %TIME%
のような命令を実行することで、起動したタイミングの情報を自動で取得できます。 - これを繰り返し実行すれば、毎日の起動時刻の一覧がファイルにどんどん追加されていくイメージです。
- 難しそうに感じるかもしれませんが、たった1行でこの処理ができるので、初めての方でも気軽に試すことができますよ。
バッチファイルでログを記録するサンプルコード
まずは、実際にログを記録するためのシンプルなバッチファイルの例を見てみましょう。
以下のコードをそのままメモ帳などに貼り付けて、拡張子を「.bat」として保存すればOKです。
@echo off
echo %DATE% %TIME% >> "C:\起動ログoot_log.txt"
このコードを実行することで、PCを起動したタイミングの「日付」と「時刻」が、指定したファイルに追記されていきます。
ポイント解説
@echo off
:バッチファイル内のコマンド実行中に、コマンドそのものが画面に表示されるのを防ぎます。
表示がスッキリして、ログだけを記録したいときに便利です。>>
:これは「追記モード」を意味します。すでに存在するファイルに、新しい内容を追加していくときに使います。
もし>
のみを使った場合は、毎回上書きになってしまうので注意しましょう。"C:\起動ログoot_log.txt"
:この部分はログの保存場所です。Cドライブの中に「起動ログ」という名前のフォルダを作っておき、その中にboot_log.txt
という名前で保存します。
フォルダが存在しないとエラーになることもあるので、事前に作っておくと安心です。
補足
- フォルダ名やファイル名は自由に変更できます。自分の使いやすいようにカスタマイズしてみてくださいね。
- ファイルの保存先をデスクトップにすることも可能ですが、PCを複数人で使っている場合は、プライバシー保護のためにも見えにくい場所に保存するのがおすすめです。
このように、わずか数行のバッチファイルで、日々の起動記録がカンタンに残せるようになります。
自動でログを記録する2つの方法
パソコンを起動するたびにバッチファイルを手動で実行するのは手間がかかりますよね。そこで便利なのが、自動でバッチファイルを実行させる設定です。以下の2つの方法があります。
①スタートアップに登録する方法
スタートアップとは、Windowsが起動したときに自動で実行されるアプリやスクリプトを登録できる特別なフォルダのことです。
- まず、作成したバッチファイルのショートカットを作ります(右クリック → 「ショートカットの作成」)。
Windowsキー
+R
を押して「ファイル名を指定して実行」を開き、shell:startup
と入力してEnter。- 表示されたスタートアップフォルダに、先ほどのショートカットをドラッグ&ドロップします。
これで設定完了!次回からは、パソコンを起動するたびに自動的にバッチファイルが実行され、ログが記録されるようになります。
💡ポイント:バッチファイル本体ではなく、ショートカットを入れるのがコツ。これにより、元のファイルの位置を変えずに運用できます。
②タスクスケジューラを使う方法
もっと柔軟に実行条件を設定したい方には、タスクスケジューラを使う方法が向いています。
- スタートメニューで「タスクスケジューラ」と検索し、アプリを開きます。
- 「タスクの作成」を選択し、トリガーを「ログオン時」に設定します。
- 「操作」タブで「プログラムの開始」を選び、作成したバッチファイルを指定します。
- 必要に応じて「最上位の特権で実行する(管理者として)」にチェックを入れてください。
この方法では、ログオン時や特定の時間・イベントなどに合わせて、より細かく実行タイミングを設定することができます。
🔒注意:一部の設定には管理者権限が必要になるため、パスワード入力や確認ダイアログが表示される場合があります。
どちらの方法も難しくないので、ご自分の目的や環境に合わせて選んでみてくださいね。
ログをさらに便利にする応用テクニック
ログファイルをもっと使いやすく、見やすくするために、少し工夫を加えることができます。ここでは、より実用的にログを活用するための2つの応用テクニックをご紹介します。
●日付ごとにファイルを分ける
毎日ログを同じファイルに追加していくと、あとから見返すのが大変になってしまうこともあります。そんなときは、日付ごとにファイルを分けて保存すると、とても見やすくなります。
@echo off
set filename=%DATE:/=-%.txt
echo %DATE% %TIME% >> "C:\起動ログ\%filename%"
このコードでは、%DATE%
の値に含まれるスラッシュ(/)をハイフン(-)に変換し、その日の日付をファイル名に使っています。
たとえば、2025年8月17日に実行された場合は、2025-08-17.txt
というファイルにログが記録される仕組みです。
この方法のメリット:
- 1日ごとにファイルが分かれているため、管理しやすい
- 月ごとや週ごとのまとめ作業にも活用しやすい
- ログが見やすく、整理整頓が楽になります
●ユーザー名も一緒に記録する
PCを複数の人で共有している場合、「誰がいつ使ったのか」も知りたいことがありますよね。
そんなときは、ログにユーザー名も一緒に記録するようにすると便利です。
echo %DATE% %TIME% %USERNAME% >> "C:\起動ログoot_log.txt"
このコードでは、Windowsの環境変数 %USERNAME%
を使って、実行したユーザーの名前をログに記録しています。
たとえば、tanaka
さんというユーザーがログインしていた場合、
2025/08/17 09:03:11.21 tanaka
のような行がログに追加されます。
この方法のメリット:
- 家族や社員など、複数人で使うPCの利用履歴をしっかり記録できる
- 誰が何時に使用したかがすぐにわかる
- 教育機関やオフィスなどでも安心して活用できます
これらのテクニックを取り入れることで、ただのログが「使える記録ツール」へとレベルアップしますよ♪
実務での活用シーン
このバッチファイルによる起動時間の記録は、ちょっとした工夫で日常業務や生活の中で大きな助けになります。以下のようなシーンで特に役立ちます。
- 在宅ワークの「自己勤怠記録」として
テレワーク中の勤務開始・終了時間の証拠として、PC起動ログを活用することで、業務の見える化が進み、自己管理にもつながります。 - 子どものPC使用チェックに
子どもがどのくらいの時間パソコンを使っていたかを記録しておけば、使いすぎの防止や学習・遊び時間のバランス管理にも役立ちます。 - 社内の共有PCの利用管理に
複数人で使う共有パソコンの場合、誰がいつ起動して使用したかをログで確認できるので、トラブル発生時の確認やセキュリティ対策にもなります。 - 勉強・作業時間の振り返りに
資格勉強や副業、ブログ執筆などの作業時間を後から振り返ることで、自分の時間の使い方を客観的に見直すきっかけになります。 - 業務改善やタイムマネジメントに活用
起動ログを集計・分析することで、作業開始が遅れがちな日や曜日の傾向を把握でき、仕事の効率改善にもつながります。
このように、シンプルな仕組みでも、アイデア次第でさまざまなシーンに活用できますよ♪
注意点とセキュリティの豆知識
起動時間を記録するのはとても便利ですが、データの扱いや設定方法には少し注意が必要です。特に以下のような点に気をつけて、安全に活用しましょう。
- ログファイルの保存場所は他人が見えない場所に
ログにはあなたの利用状況が記録されるため、他人に見られないように保存先を工夫することが大切です。
たとえば、自分専用のフォルダやパスワード付きのドライブに保存すると安心です。 - バッチファイルを誰でも編集できないようにしておくと安心
誤って中身を変更されたり、悪意のある改変をされると正しく動作しなくなるだけでなく、セキュリティリスクにもなりかねません。
ファイルの「読み取り専用」設定や、ユーザー権限の制限をかけるのもひとつの方法です。 - 会社や学校のPCで勝手に設定しないこと(トラブルのもとになります)
共用環境や管理されたネットワークでは、勝手にスクリプトを実行することが規則違反となる場合もあります。
利用前には必ず管理者に確認しましょう。 - バックアップも忘れずに
大切なログが消えてしまわないよう、定期的に別の場所にコピーを取っておくのもおすすめです。USBメモリやクラウドストレージを活用しましょう。
これらの注意点を押さえておけば、安心してログの自動記録を活用できますよ♪
まとめ:小さな工夫で毎日がちょっと便利に
難しいソフトを使わなくても、Windowsバッチファイルだけで起動時間の記録はできちゃいます。ほんの数行のコードを書くだけで、パソコンを立ち上げた瞬間の情報をしっかり残しておくことができるなんて、ちょっと驚きですよね。
「今日からちょっと試してみようかな♪」そんな軽い気持ちで始めてみてもまったく問題ありません。最初はうまくいかなくても、何度か試していくうちに、自然と仕組みがわかってきますし、自分なりのカスタマイズも楽しくなってきます。
そして、起動ログという“見える化”を取り入れることで、自分の生活や仕事のペースを客観的に見つめ直すきっかけにもなります。
パソコンの操作にちょっとした仕組みを加えるだけで、毎日の小さな「困った」がスッと解決する。そんな気持ちよさを、ぜひ体感してみてくださいね。
あなたの毎日に、さりげなく役立つ“ちょっと便利”な習慣が増えることを願っています。