eSIMのスマホを買い替える前に知っておきたいこと
スマホを買い替えるタイミングで、「eSIMって引き継ぎがむずかしそう」「設定ミスで使えなくなったらどうしよう…」と不安になったことはありませんか?とくにこれまで物理SIMしか使ったことがない方にとっては、eSIMという言葉自体、まだなじみが薄いかもしれません。
eSIMとは、スマホの中にあらかじめ埋め込まれている小さな電子チップのようなもの。SIMカードの差し替えが不要で、ネット上で回線の開通や切り替えができる、とてもスマートな仕組みです。最近はiPhoneやPixelをはじめ、eSIM対応のスマホも増えてきており、これからますます一般的になると予想されています。
ただ、便利な反面、乗り換えや機種変更の際には、いくつか気をつけなければならないこともあります。たとえば、eSIMは基本的に一台の端末にしか紐づけできないため、古いスマホから新しいスマホに切り替えるときには、正しい手順で再発行や再設定をしないと、通信が使えなくなるリスクもあるのです。
この記事では、そもそもeSIMとは何かという基本から始めて、スマホの買い替え時に必要な準備、やさしい移行手順、キャリアごとの手続きの違い、そして注意点やトラブル回避のコツまでを、初心者の方にもわかりやすくご紹介していきます。
スマホが日々の暮らしの中で欠かせない今だからこそ、「乗り換え時に困らない」ための予備知識を、この機会にぜひチェックしてみてください。
eSIMってなに?SIMカードとの違いと便利なポイント

eSIMとは、スマホ本体にあらかじめ埋め込まれている電子的なSIMのことを指します。従来の物理SIMのようにカードを抜き差しする必要がなく、スマホの設定画面からオンラインで通信契約の切り替えやアクティベーションができるのが最大の特徴です。
たとえば、スマホを機種変更する際も、eSIMであれば手続きの多くを自宅で完結させることができますし、物理SIMのようにカードを紛失してしまうリスクもありません。また、SIMカードスロットが不要になるため、スマホ内部のスペースを有効に使えるというメリットもあります。
さらに、海外旅行や出張のときにもeSIMの便利さは際立ちます。現地の通信会社が提供するeSIMプランを利用すれば、わざわざ現地でSIMを購入したり差し替えたりせずに、スマホから設定するだけで現地の回線が使えるようになります。複数の通信プランを1台のスマホで管理できるのも、eSIMならではの魅力です。
最近ではiPhoneやGoogle Pixel、Galaxyの一部モデルなど、多くのスマートフォンがeSIMに対応するようになってきており、キャリア各社もeSIM向けのプランや手続きを整備しています。これからスマホを買い替える人や、通信環境を柔軟に使いたい人にとって、eSIMはますます身近で使いやすい選択肢になっています。
スマホを買い替えるときのeSIM移行手順【基本の流れ】

スマホを新しくする際、eSIMを正しく引き継ぐには、いくつかのステップを丁寧に踏んでいくことが大切です。まず初めに行うべきなのが、今使っているスマホに登録されているeSIMを解除、もしくは無効化する作業です。これをせずに新しいスマホに移行しようとすると、eSIMが認識されず、通信できないといったトラブルにつながることもあります。
その後、新しいスマホでeSIMを再発行・再設定する流れになりますが、ここで重要なのが、事前に各キャリアのマイページや専用アプリにログインして準備しておくことです。
基本的な手順としては以下のようになります:
- 現在契約中の通信キャリア(ドコモ、au、ソフトバンク、楽天など)のマイページや公式アプリで、eSIMの再発行を申請します。多くの場合、「機種変更」や「SIM再発行」といった項目から手続きが可能です。
- 手続きが完了すると、キャリアからeSIMプロファイルを登録するためのQRコードが発行されます。それを新しいスマホで読み取ります。QRコードはメールで届くこともあれば、マイページ上で表示されるケースもあります。
- 読み取ったQRコードを使って、新しいスマホ上でeSIMのプロファイルをインストールします。完了後、自動的に通信が可能な状態になります。
この一連の流れは、慣れてしまえば数分で終わる場合もありますが、初めての方は戸惑うかもしれません。キャリアによっては、eSIMの有効化にSMS認証やパスワード入力が必要なケースもあるため、作業前に確認しておくと安心です。
また、機種によってはQRコード方式だけでなく、Bluetoothを使ってペアリングする方法や、手動でコードを入力して設定する方法も用意されています。ですが、現時点ではQRコードを利用した設定方法が最も一般的で、多くのユーザーにとってわかりやすい選択肢となっています。
eSIMを移行するときに注意したいポイント

eSIMの移行は、従来の物理SIMとは異なる手順が必要になるため、事前に注意すべき点をしっかり把握しておくことが大切です。
まず知っておきたいのは、eSIMは「同じキャリア」「同じ電話番号」であっても、端末を変更する場合には多くのケースで再発行手続きが必要になるということです。つまり、ただスマホを買い替えただけでは自動的に通信できるようにはなりません。新しい端末でeSIMを再発行し、QRコードなどでプロファイルを読み込む必要があります。
さらに注意したいのが、旧スマホでeSIMを無効化するタイミングです。うっかり早い段階でeSIMを無効化してしまうと、新しいスマホ側で再設定ができず、通信不能になってしまうケースも。こういったトラブルを防ぐためにも、Wi-Fiが安定して利用できる環境で、できれば旧端末と新端末の両方を同時に操作できる状況を整えておくことをおすすめします。
また、機種変更にともない、eSIMとは直接関係のない部分でも注意が必要です。たとえば、2段階認証が必要なGoogleアカウントやApple ID、銀行系アプリ、本人確認アプリなどは、新しい端末で再ログインや再認証が求められることが多くあります。これらのアプリやサービスがeSIMによる通信再開前に動かないと、ログイン情報が確認できずに困ってしまう場合もあるため、事前のバックアップや移行手順の確認が不可欠です。
特に金融系サービスや本人認証が必要なアプリは、移行後すぐに使える状態にしておくために、設定のスクリーンショットを残しておいたり、あらかじめ紙にメモを取っておくなど、念には念を入れて準備しておくと安心です。
このように、eSIMの移行はスムーズに進めるために「タイミング」と「事前準備」がとても重要になります。
ドコモ・au・ソフトバンク・楽天の手続きの違い

eSIMの移行手続きは、利用しているキャリアによってやり方や必要なステップが少しずつ異なります。それぞれの特徴やサポート体制を事前に把握しておくことで、乗り換えの際のストレスやトラブルを大きく減らすことができます。
**ドコモ(ahamo含む)**では、「My docomo」からeSIMの再発行手続きをオンラインで完了できます。物理SIMと違って店舗に行く必要がなく、操作に慣れていれば10分程度で作業が完了することも。再発行にはdアカウントのログインが必須なので、IDやパスワードを忘れてしまっている場合は、事前に再設定しておくとスムーズです。また、ahamoはサポートが完全オンラインのため、手続きに不安がある場合は公式チャットを活用しましょう。加えて、eSIMのプロファイルは一度しか使えないため、設定ミスがないよう慎重に操作することが大切です。
au/UQモバイルでは、「My au」またはUQ専用アプリでeSIMの再発行・機種変更が可能です。auでは「eSIM再発行」のページから本人確認を経て申請する流れで、UQモバイルは「UQ mobileポータル」などからも申請できます。ただし、申請時に運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類をアップロードする必要があり、審査に数時間〜1日程度かかることも。特に混雑時期(新学期、年末年始など)は遅れやすいため、余裕を持ったスケジューリングが安心です。万が一に備えて、旧端末のeSIMは設定完了まで削除しないよう注意が必要です。
ソフトバンク/ワイモバイルの場合、手続きの流れがやや複雑です。My SoftBankでeSIMの再発行を申請し、SMS認証または電話認証によって本人確認を行う必要があります。特にワイモバイルは、公式アプリとWebを併用するステップが多く、初めて手続きする方は戸惑いやすいかもしれません。事前に手順を確認し、公式のサポートページや動画マニュアルを見ると安心です。注意点として、eSIM再発行は営業時間内しか受け付けていない場合もあり、夜間や休日の手続きができないことがあります。あらかじめ受付可能時間もチェックしておきましょう。
楽天モバイルは、比較的簡単かつスピーディーに手続きできる点が強みです。「my 楽天モバイル」アプリを開き、数タップでeSIMの再発行申請が完了します。再設定用のQRコードもアプリ内で即時発行されることが多く、初めての方でも迷わず進められる設計です。また、サポートもチャット・電話・店舗の三段構えで充実しており、万一トラブルがあってもすぐに相談できる環境が整っています。注意点としては、Android端末の一部では設定時に追加の確認操作が求められることがあるため、操作中の画面表示に沿って丁寧に進めるようにしましょう。
このように、キャリアごとにeSIMの手続きのしやすさや確認項目、所要時間、サポート方法に違いがあります。あらかじめ自分のキャリアの流れを確認し、時間や環境に余裕をもって取りかかることが、安心してスマホを移行するための第一歩です。
まとめ|eSIMのスマホ乗り換えは「事前準備」が成功のカギ

eSIMはとても便利で、これからのスマホライフをより快適にしてくれる技術ですが、いざスマホを買い替えるとなると、手続きや設定でつまずく方も少なくありません。
特に、eSIMの移行では「旧端末でのeSIMの無効化」と「新端末での再発行・プロファイル設定」という2つの重要なステップを、正しい順序で行う必要があります。これらの作業は、一見シンプルに見えても、キャリアによって仕様が異なったり、認証が必要だったりするため、事前に情報を確認しておくことが不可欠です。
また、移行作業をスムーズに進めるには、Wi-Fi環境を整え、できるだけ落ち着いて操作できる時間帯に行うのが理想的です。旧スマホと新スマホを同時に手元に用意しておき、説明を見ながら進めることでトラブルを防ぐことができます。
加えて、GoogleアカウントやApple ID、金融系アプリなどの再認証にも備え、ログイン情報やバックアップデータの準備も忘れずに行いましょう。eSIM移行は、スマホの通信設定だけでなく、スマホに紐づいた生活インフラ全体の再構築に関わるプロセスでもあります。
不安なときは、キャリアの公式サイトだけでなく、チャットサポートや店舗の案内を活用するのも一つの手です。少しでも不明点があれば、遠慮せずに相談することで、スムーズな移行が可能になります。
eSIM移行を成功させる最大のコツは、「あらかじめ知っておくこと」「焦らず丁寧に行うこと」です。新しいスマホに気持ちよく移行できれば、その後のスマホライフもきっと快適で安心なものになるでしょう。
あなたの毎日が、より便利で心地よいスマホ体験に満ちたものになりますように。
(※本記事は2025年9月時点の情報をもとに作成しています。最新の情報は各キャリア公式サイトをご確認ください)

