GG賞とベストナインの最大の違いは、GG賞が守備を評価し、ベストナインが総合的な技能をもとに選ばれる点です。
ただし、どちらも記者投票で決まり、GG賞もUZRなどの数字だけで自動的に選ばれるわけではありません。
「なぜ同じポジションで受賞者が違うの?」「両方取れる?」「なぜ人数が18人と19人なの?」と疑問を持った人向けに、選考基準・候補資格・DH・外野3枠・2025年の実例までまとめて解説します。
GG賞とベストナインの違いは守備評価と総合評価
GG賞とベストナインの最大の違いは、GG賞が守備を評価する賞、ベストナインが総合的な技能をもとに選ばれる賞という点です。
どちらもプロ野球担当記者による投票で決まるため、「GG賞は守備成績の数字だけ」「ベストナインは打撃だけ」で決まるわけではありません。
シーズン終了後に受賞者一覧を見て、「同じポジションなのに名前が違うのはなぜだろう」と感じたときは、まずこの評価軸の違いを押さえると理解しやすくなります。
| 比較項目 | GG賞 | ベストナイン |
|---|---|---|
| 主な評価対象 | 守備 | 総合的な技能 |
| 選出方法 | 記者投票 | 記者投票 |
| DH部門 | なし | パ・リーグにベストDH賞あり |
| 2025年の受賞人数 | 18人 | 19人 |
| 同時受賞 | 可能 | |
GG賞は守備、ベストナインは総合的な技能を評価する
三井ゴールデン・グラブ賞は、卓越した守備でチームに貢献した選手を選ぶ「守備のベストナイン」です。
一方のベストナインは、守備だけに対象を絞った表彰ではなく、選手の総合的な技能を基本として選ばれます。
そのため、「ベストナインは打撃だけの賞」と理解するのは正確ではありません。
野手では打撃成績が話題になりやすいため、ニュースを追っていると「打てる選手を選ぶ賞」のように感じることがあります。
ただ、制度上は打撃専用の表彰ではなく、GG賞とはそもそも評価する観点が違うと考えるほうが整理しやすいです。
たとえば、表彰発表の日にスマホで一覧を見ていて、「GG賞ではA選手なのに、ベストナインではB選手なの?」と戸惑ったとします。
この場合、どちらかの選考がおかしいとすぐ判断するのではなく、守備を中心に見る賞と、総合的な技能を見る賞では結果が分かれることがあると考えるのが基本です。
どちらも記者投票で選ばれ、公式な上下関係はない
GG賞とベストナインは、どちらもプロ野球担当記者の投票によって受賞者が決まります。
GG賞については、新聞社・通信社・テレビ局・ラジオ局で、5年以上にわたり主にプロ野球の現場取材を担当している記者が投票します。
「ファン投票なのかな」「守備率1位なら自動的に決まるのかな」と思いやすいところですが、そうした仕組みではありません。
投票による表彰なので、受賞者を数字だけのランキングと同じものとして見るとズレが生まれます。
また、「GG賞とベストナインはどっちがすごい?」という疑問にも、単純な上下では答えられません。
両賞は格付けの違いではなく、異なる物差しで選手を評価する表彰です。
両方を受賞した選手は、守備の評価と総合的な評価という二つの観点で高く評価されたことになります。
逆に片方だけの受賞でも、もう一方より価値が低いという意味にはなりません。
GG賞とベストナインの選考基準はどう違う?
選考基準の違いで押さえたいのは、GG賞には守備を評価するという目的に加えて候補になるための出場条件が定められている点です。
ベストナインとの違いを理解するには、「何を評価するか」と「誰が候補になれるか」を分けて考えると迷いません。
GG賞は有資格選手を対象にした記者投票であり、UZRや守備率だけで自動的に受賞者が決まる賞ではありません。
GG賞はUZRや守備率だけで決まらず受賞資格もある
GG賞の結果を見ていると、「UZRが高い選手が受賞するのでは?」と考えたくなる場面があります。
UZRは守備を見るための指標の一つですが、GG賞の公式な選考制度にUZR順位で自動選出する仕組みはありません。
守備率についても同じで、特定の数字だけを基準に受賞者が機械的に決まるわけではないです。
GG賞は「有資格選手の中から記者投票で選ぶ」という流れを押さえておく必要があります。
野手の基本条件は、チーム試合数の半分以上に対象ポジションで出場することです。
捕手は捕手として、外野手は外野手として条件を満たし、内野手は一つの守備位置でチーム試合数の半分以上を守る必要があります。
このため、複数ポジションで多くの試合に出た選手でも、一つの内野ポジションでは条件に届かず、候補にならないケースがあります。
「守備がうまいと思っていた選手の名前が投票結果にない」と感じたら、評価以前に受賞資格を満たしているかを確認すると理由が見えてくることがあります。
投手は条件が異なり、規定投球回に達しているか、チーム試合数の3分の1以上に登板していることが候補資格の基準です。
2026年度は143試合制のため、野手の半分以上は71試合以上、投手の3分の1以上は47試合以上となります。
71試合や47試合という数字そのものが永久固定のルールではなく、基準はチーム試合数に対する割合です。
ベストナインは打撃だけでなく総合的な技能が評価対象
ベストナインとの比較で最も誤解しやすいのが、「GG賞は守備、ベストナインは打撃」という覚え方です。
分かりやすい対比ではありますが、ベストナインを打撃だけの賞と断定すると制度の説明としては不正確になります。
三井ゴールデン・グラブ賞の公式説明では、従来のベストナインは総合的な技能を基本として選ぶ表彰として位置づけられています。
つまり、GG賞との違いは「守備対打撃」ではなく、守備に焦点を当てる賞と、選手を総合的に評価する賞という整理が自然です。
表彰ニュースを見ながら「打撃成績ならこっちの選手なのに」と感じても、その数字だけでベストナインの結果を説明し切ることはできません。
GG賞もベストナインも記者投票であり、単一の成績指標による自動ランキングではないからです。
この違いを知っておくと、両賞で同じ選手が選ばれた場合も、別の選手が選ばれた場合も、結果を整理して見られるようになります。
「誰の数字が上か」だけでなく、「その賞は何を評価するための表彰なのか」を先に見るのがポイントです。
人数・DH・外野手3人の違いを比較
GG賞とベストナインは、評価軸だけでなく受賞人数とポジションの扱いにも違いがあります。
2025年度はGG賞が計18人、ベストナインが計19人で、1人差が出た理由はパ・リーグのベストDH賞です。
「同じベストナイン形式の表彰なのに、なぜ人数が違うの?」と感じたときは、DHと外野手の扱いを見るとすぐ整理できます。
| 比較項目 | GG賞 | ベストナイン |
|---|---|---|
| 2025年のセ・リーグ | 9人 | 9人 |
| 2025年のパ・リーグ | 9人 | 10人 |
| 2025年の合計 | 18人 | 19人 |
| DH部門 | なし | パ・リーグにベストDH賞あり |
| 外野手 | 3人 | 3人 |
2025年はGG賞18人、ベストナイン19人だった
2025年度のGG賞は、セ・リーグ9人、パ・リーグ9人の計18人が受賞しました。
一方、同年度のベストナインはセ・リーグ9人、パ・リーグ10人の計19人です。
数字だけを見ると「ベストナインのほうが枠が多いの?」と戸惑いますが、違いの中心はパ・リーグにあります。
パ・リーグのベストナインにはベストDH賞があるため、その1枠分だけ2025年度の総人数が多くなりました。
GG賞は守備を評価する賞なので、守備に就かない指名打者だけの部門は設けられていません。
このため、2025年度はGG賞18人、ベストナイン19人という差が生まれました。
人数差は賞の格の違いではなく、DH部門の有無による制度上の違いです。
表彰一覧を見比べるときは、単純に人数だけを比べるより、どのポジションに枠があるのかを見るほうが理解しやすいです。
ベストDH賞と外野手3枠の仕組みで人数と選び方が変わる
もう一つ迷いやすいのが、外野手の3枠です。
GG賞では、左翼手・中堅手・右翼手から1人ずつ選ぶ仕組みではなく、外野手という一つの部門から3人が選ばれます。
ベストナインでも外野手は3人選出されるため、外野の顔ぶれを比較するときは「レフト枠」「センター枠」「ライト枠」と固定して考えないほうが正確です。
たとえば受賞者一覧を見て、「センターを守る選手が複数いるけど、選び方がおかしいのかな」と感じる場面があるかもしれません。
外野は左右中を分けて選ぶ制度ではないため、中堅手タイプの選手が複数選ばれても仕組み上は問題ありません。
この点を知らないと、外野手の受賞結果を見たときにポジション配分のミスのように感じやすくなります。
一方でDHについては、守備を評価するGG賞には部門がなく、パ・リーグのベストナインにはベストDH賞があります。
外野は3人を一括選出、DHはベストナイン側だけに枠があると覚えておくと、人数とポジションの違いをまとめて整理できます。
「GG賞は18人、ベストナインは19人」と毎年固定で覚えるのではなく、2025年度の実績として見ることも大切です。
GG賞とベストナインは同時受賞できる
GG賞とベストナインは、同じ選手が両方受賞できます。
2025年は公式受賞者一覧を突き合わせると14人が両賞を受賞しており、異なる評価軸の両方で高く評価された選手が多くいました。
ただし、評価する観点が違うため、同じポジションでも受賞者が分かれるケースもあります。
2025年は14人が両賞を受賞しセ・リーグは全9枠が一致
2025年度は、ベストナイン19枠のうち14人がGG賞も受賞しました。
割合にすると約73.7%で、結果だけを見るとかなり多くの選手が両賞に選ばれています。
とくにセ・リーグでは、投手、捕手、内野4ポジション、外野3枠の全9枠でGG賞とベストナインの受賞者が一致しました。
「評価軸が違うなら、受賞者も大きく変わるはず」と思うかもしれませんが、必ずそうなるわけではありません。
守備でも高く評価され、総合的な技能でも高く評価された結果、同じ選手が両方に選ばれることがあります。
同時受賞は、守備と総合評価という別々の物差しの双方で支持されたという意味です。
一方で、両方取ったからといってGG賞がベストナインより上、あるいはその逆という関係にはなりません。
「どっちがすごい?」ではなく、何について評価されたのかを見ると受賞の意味をつかみやすくなります。
伊藤大海さんとL.モイネロさんなど受賞者が分かれる例もある
評価軸の違いが分かりやすく表れたのが、2025年のパ・リーグです。
投手部門では、GG賞が伊藤大海さん、ベストナインがL.モイネロさんでした。
遊撃手でも、GG賞は紅林弘太郎さん、ベストナインは宗山塁さんと結果が分かれています。
外野手3枠では、GG賞が周東佑京さん、辰己涼介さん、西川愛也さん、ベストナインが柳町達さん、中川圭太さん、周東佑京さんでした。
この外野3枠で両賞に入ったのは周東佑京さんだけです。
同じ守備位置でも受賞者が違うのは、選考ミスを意味するのではなく、守備評価と総合評価の違いが結果に表れた例として読めます。
逆にセ・リーグのように全枠一致する年もあるため、「GG賞とベストナインは毎年ほぼ同じ」「必ず別の選手になる」と決めつけないことが大切です。
受賞者一覧を見たときは、まず一致しているかどうかを確認し、その後にそれぞれの賞が何を評価しているかを重ねると違いが見えます。
なお、2026年度の三井ゴールデン・グラブ賞は2026年11月1日時点ではまだ発表前で、発表日は11月11日の予定です。
そのため、現時点で制度の違いを具体例から比べるなら、確定している2025年度の受賞結果を見るのが適しています。
GG賞とベストナインの違いを知れば受賞結果を読み解ける
GG賞とベストナインの違いは、守備を評価する賞か、総合的な技能を評価する賞かという点に集約できます。
受賞者の名前だけを比べるのではなく、評価軸・候補資格・人数の違いまで見ると、表彰結果を自分で読み解きやすくなります。
ニュースで「なぜ同じポジションなのに受賞者が違うの?」と感じたときも、制度を知っていれば結果の見え方が変わります。
守備評価と総合評価を分けて見れば違いが分かる
三井ゴールデン・グラブ賞は、優れた守備によってチームに貢献した選手を選ぶ守備のベストナインです。
ベストナインは打撃だけを評価する賞ではなく、総合的な技能を基本として選ばれます。
この違いがあるため、同じ選手が両方を受賞することもあれば、同じ守備位置で別々の選手が選ばれることもあります。
たとえば2025年のパ・リーグ投手では、GG賞に伊藤大海さん、ベストナインにL.モイネロさんが選ばれました。
遊撃手でもGG賞は紅林弘太郎さん、ベストナインは宗山塁さんと分かれています。
受賞者が違うからといって、どちらかの選考が間違っているとは限りません。
そもそも異なる物差しで選んでいるため、結果が分かれること自体は制度上自然です。
一方、2025年のセ・リーグでは全9枠で両賞の受賞者が一致しました。
評価軸が違っていても、守備と総合力の両面で支持された選手なら同時受賞できます。
資格・人数・同時受賞まで押さえると表彰ニュースを理解しやすい
GG賞を見るときは、守備力だけでなく候補資格を満たしているかも確認すると理解が深まります。
野手は原則として対象ポジションでチーム試合数の半分以上に出場する必要があり、投手にも別の資格条件があります。
そのため、「守備がうまいのに候補に入っていない」というケースでは、まず出場条件を確認するのが近道です。
人数を見ると、2025年度はGG賞がセ・パ各9人の計18人、ベストナインはパ・リーグのベストDH賞を含めて計19人でした。
外野手はレフト・センター・ライトから1人ずつではなく、外野手全体から3人を選びます。
こうした仕組みを知らないまま一覧を見ると、「人数が合わない」「センターが多い」と違和感を覚えやすいですよね。
GG賞はUZRや守備率の順位だけで自動的に決まる賞でもありません。
有資格選手を対象とした記者投票なので、守備指標と受賞結果が一致しない場合もあります。
GG賞は守備、ベストナインは総合評価という基本を押さえ、資格・人数・投票方式までセットで見ることが、表彰結果を正確に理解するコツです。
これから受賞者発表を見るときは、「誰が選ばれたか」だけでなく、「どの賞で、どんな観点から評価されたのか」に注目してみてください。
