「㐂(き)」という、七が三つ重なったようなユニークな漢字。
この文字、長寿を祝う「㐂寿」などでも使われますが、いざスマホやパソコンで入力しようとすると出てこなくて困った経験はありませんか?
実は「㐂」は、普通の変換では出ない“特殊文字”なんです。
この記事では、「㐂」の意味や由来から始まり、スマホ・パソコンで確実に入力するための3つの方法(手書き・コピペ・単語登録)を丁寧に解説します。
さらに、よく使う人向けに、便利な入力テクや関連漢字も紹介。
この記事を読めば、「㐂」の入力はもう怖くありません。
特殊な漢字こそ、ちょっとした工夫で日常使いがぐっと快適になりますよ。
そもそも「㐂」とは?意味や読み方をやさしく解説
まずは、この記事の主役である「㐂」という漢字について、その読み方や意味、なぜこの文字が生まれたのかなど、背景を丁寧に見ていきましょう。
この文字は、ただの変わり種ではなく、れっきとした日本の文化や長寿の祝い事にも深く関わる、由緒ある文字なのです。
「㐂」はどんな漢字?由来と意味を知ろう
見た目のインパクトが強い「㐂」は、ぱっと見で「七(しち)」が三つ並んでいるように見えますよね。
このユニークな形から、「七が三つ」と呼ばれることもあります。
読み方は音読みで「キ」と読み、意味は「喜び」や「嬉しいこと」を表します。
つまり、この「㐂」は、気持ちを明るくするポジティブな意味を持った漢字なんですね。
この文字は、中国には存在しない「国字(こくじ)」です。
つまり、日本独自で作られた漢字ということです。
そのため、辞書や漢字一覧を見ても載っていない場合があるので、調べにくいと感じる方も多いでしょう。
実はこの「㐂」、長寿祝いの「喜寿(きじゅ)」に使われることで知られています。
「喜寿」とは、77歳の長寿を祝う日本の伝統文化で、「喜」という字が草書体になると「㐂」に見えることから、この文字が使われるようになったのです。
| 漢字 | 読み方 | 意味 | 使用例 |
|---|---|---|---|
| 㐂 | キ | 喜び、嬉しさ | 喜寿(77歳の祝い)など |
「喜」との関係は?草書体としての「㐂」
ここで気になるのが、「㐂」と「喜」の関係ですよね。
一見すると全く違う字に見えますが、実は「㐂」は「喜」の草書体(そうしょたい)なのです。
草書体とは、筆で素早く書くために字を崩したスタイルのこと。
たとえば、「木」が草書になると、ひらがなの「も」みたいに見えたりします。
この「㐂」も、そういったくずし字の一種であり、文字を省略して書きやすくしたものなのです。
特に、日本の書道文化や伝統的な文書、贈り物の掛け紙などでは、「㐂」のような草書体が好まれて使われてきました。
現在でも、料亭の箸袋や和菓子のパッケージ、寿司屋の暖簾(のれん)などにこの文字が使われていることがあります。
つまり、「㐂」は実用というより“縁起物”として使われる文字なんです。
| 文字 | 分類 | 現代での使用例 |
|---|---|---|
| 㐂 | 喜の草書体/国字 | 喜寿、贈答品、祝儀袋、和食メニュー |
| 喜 | 常用漢字 | 日常表記全般 |
こうした背景を知ると、「㐂」は単なる変わった漢字ではなく、日本人の感性や文化に根付いた、奥深い文字であることが分かりますね。
「㐂」をスマホで入力する方法まとめ
「㐂」という文字は見慣れないうえに、スマホの通常変換ではなかなか出てこないため、入力に戸惑う方が多いです。
でも大丈夫。スマホでも、いくつかの方法を使えばこの文字を確実に入力できます。
ここでは、Android・iPhoneそれぞれで「㐂」を入力する3つの方法と、それぞれの特徴や注意点を徹底解説します。
Androidスマホで「㐂」を出す3つの方法
Androidユーザーにとって、「㐂」の入力方法は3通りあります。
それぞれのやり方にはメリットとデメリットがあるので、自分の使い方に合った方法を選ぶのがポイントです。
| 方法 | 操作手順 | 向いている人 |
|---|---|---|
| ① 手書き入力 |
|
変換で出ない漢字をよく使う人 |
| ② コピー&ペースト |
|
たまにしか使わない人 |
| ③ 単語登録 |
|
頻繁に使う人、仕事や投稿で使いたい人 |
それぞれの方法には特徴がありますが、まずは手書き入力を試してみるのが最も確実です。
「㐂」は一般的な漢字変換に含まれていないことが多いため、手書き入力が一番手っ取り早い手段なんですね。
単語登録は少し面倒に見えますが、1度設定しておけばずっと使える最強の入力手段です。
例えば、家族や親戚の名前に「㐂」が含まれている場合や、和風の屋号を扱う人などには非常に便利です。
iPhoneでも入力できる?代替手段を紹介
iPhoneでは「㐂」を直接キーボード変換で出すのが難しいですが、以下のような方法でしっかり対応できます。
| 方法 | 具体的な手順 | ポイント |
|---|---|---|
| ① 手書き入力 |
|
iPhone標準では日本語手書き入力が非対応のため、代替言語を使うのがコツ |
| ② コピー&ペースト |
|
一番シンプルな方法 |
| ③ ユーザー辞書登録 |
|
頻繁に使うなら必須 |
iPhoneでは設定手順が若干複雑なものの、「辞書登録」+「コピー」でほぼカバーできます。
Androidと比べても少し面倒ですが、一度登録すれば非常に快適に使えるようになりますよ。
ちなみに、「㐂」はフォントによって正しく表示されない場合があります。
表示がおかしいと感じたら、フォント設定を変更するか、別のアプリで試すのもひとつの方法です。
パソコンで「㐂」を入力するにはどうする?
スマホと比べてキーボード入力に強いパソコンですが、「㐂」のような珍しい文字は変換候補に出にくいため、思ったよりも苦戦する方が多いです。
でも安心してください。WindowsでもMacでも、いくつかの方法を知っておけば、スムーズに「㐂」を入力できるようになります。
この章では、パソコン環境別の入力手順を徹底的に深掘りしてご紹介します。
Windowsでの変換手順とコツ
Windowsパソコンでは、多くの方が標準の「Microsoft IME(日本語入力システム)」を使っています。
まずは、基本的な入力手順から見てみましょう。
| ステップ | 操作内容 |
|---|---|
| ① | メモ帳やWordなどを開き、「よろこぶ」または「き」と入力 |
| ② | スペースキーで変換を繰り返す |
| ③ | 候補一覧の下部にある「単漢字…」をクリック |
| ④ | より多くの候補が表示される中から「㐂」を探してクリック |
この「単漢字…」は、変換候補が一度に出てこない場合の隠し扉のようなもの。
多くの人がここに「㐂」があることを知らずに変換を諦めてしまいがちなので、ぜひ覚えておいてください。
それでも出てこない場合、以下の方法を試してみましょう。
- 文字コードで入力:「U+341」などUnicodeの情報を使う(上級者向け)
- Web上からコピーしてペースト
実際、「㐂」はUnicodeで「U+341」に登録されていますが、入力サポートは環境依存です。
フォント設定が古いと正しく表示されないこともあるので注意が必要です。
Macでの入力方法と注意点
Macを使っている場合、標準の日本語入力(ことえりやApple日本語入力)では「㐂」を直接変換で出すのが難しいです。
その代わり、Macには「文字ビューア(旧:文字パレット)」という便利なツールがあるので、これを活用しましょう。
| 手順 | 操作内容 |
|---|---|
| ① | メニューバーの右上にある「入力メニュー(あ)」をクリック |
| ② | 「絵文字と記号」または「文字ビューアを表示」を選択 |
| ③ | 検索窓に「㐂」と入力して表示された文字をクリックして挿入 |
この方法なら、どのアプリでも正確に「㐂」を入力できます。
特にメールや書類作成など、入力ミスが許されない場面では文字ビューアを使うのが最も確実です。
さらに、Macでも「ユーザー辞書」を使えば変換で出せるようになります(これは次章で詳しく解説します)。
パソコン入力でありがちな注意点
「㐂」の入力でつまずきがちなポイントを整理しておきましょう。
| 落とし穴 | 解説 | 対策 |
|---|---|---|
| 変換候補に出ない | 「よろこぶ」「き」と打っても変換できない | 「単漢字」や「文字ビューア」を活用 |
| 文字化けする | 環境依存文字のため、古いソフトで「□」になる | 最新のフォント・アプリで入力する |
| 使いたい場面で出せない | 例えばExcelやブラウザのフォームなど | 事前にメモ帳などで入力→コピペが確実 |
パソコンでは、「表示できるが入力しにくい」というパターンが多いので、使いたいアプリで一度テストしておくと安心です。
また、頻繁に使う方は、次章で紹介する単語登録を行えば、どんなアプリでも簡単に「㐂」が呼び出せるようになりますよ。
単語登録で「㐂」の入力をもっと簡単に!
毎回「㐂」を手書きしたり、コピーして貼り付けたりするのは、正直めんどうですよね。
そこで活躍するのが単語登録です。
一度登録しておけば、好きな読み方で「㐂」をサクッと変換できるようになります。
この章では、スマホとパソコンでの登録手順をさらに詳しく、初心者でも迷わないように解説していきます。
スマホでの単語登録手順(Android / iPhone)
スマホでは、キーボードアプリ(Gboard、Simeji、ATOKなど)やOSの設定から単語登録ができます。
ここでは最も使用者の多い「Gboard」(Android)と、「ユーザー辞書」(iPhone)の登録方法を紹介します。
| 機種 | 登録手順 |
|---|---|
| Android(Gboard) |
|
| iPhone(iOS) |
|
登録する「読み」は自由に決めてOK。
例えば、「㐂寿(喜寿)」にちなんで「きじゅ」や、「七三」と書いて「しちさん」など、自分にとってわかりやすい読み方にしておくのがポイントです。
また、誤入力しにくいユニークな読みを設定すれば、他の変換候補と混ざりにくくなります。
パソコンでの単語登録手順(Windows / Mac)
パソコンでも一度登録しておけば、どのソフトでも簡単に「㐂」が入力できるようになります。
ここでは、WindowsとMacそれぞれの登録方法を詳しく解説します。
| OS | 登録手順 |
|---|---|
| Windows |
|
| Mac |
|
WindowsではIME、MacではことえりやApple日本語入力を使って登録できます。
登録後は、「き」と入力するだけで「㐂」が変換候補に出るようになります。
また、仕事で「㐂寿」などの文書をよく扱う人にとっても、作業効率がぐっと上がります。
単語登録の応用テクニック
単語登録を使えば、以下のような使い方もできます。
- 「㐂寿」や「㐂び事」など、フレーズごと登録
- 「ななみっつ」で登録して話題のタネにする
- 「き」だけでなく「㐂」で「よみ:喜」も逆変換登録
こうした応用は、自分の文章スタイルに合った辞書を作れるというメリットがあります。
つまり、「㐂」は入力しにくい文字ではありますが、単語登録によって「ふつうの漢字」と同じくらい使いやすくなるんです。
「㐂」をよく使う人のための便利テクニック
「㐂」は日常的に使う文字ではありませんが、伝統行事や和風デザイン、特定の職業に関わる方にとっては意外と出番が多い文字でもあります。
この章では、そんな「㐂」を使いこなす人向けに、さらに一歩進んだ便利テクニックをご紹介します。
実用と遊び心を両立させた活用法も満載です。
コピー用の「㐂」をブックマークしておこう
「㐂」の入力がうまくいかないとき、一番簡単なのがコピー&ペーストです。
そこで、信頼できるサイトや自分用のメモに「㐂」を保存しておくと、いつでも呼び出せて便利です。
例えばこんな方法があります。
- ① ブラウザのブックマークに「㐂」の文字を含むページを登録
→「㐂」の入力方法を解説したブログ記事やWikipediaのページがおすすめです。 - ② メモアプリに「㐂」だけを書いたノートを作成
→Google KeepやEvernoteなら、PCとスマホの両方で使えます。 - ③ LINEや自分宛のメールに「㐂」を送っておく
→いざというとき、過去のトーク履歴から簡単にコピーできます。
特にメモアプリは、自分だけの「特殊文字辞書」として使えるので、他のレア漢字も一緒に保存しておくとより便利ですよ。
他の“同じ漢字3つ系”もまとめて覚えよう
「㐂」は、“同じ漢字を三つ重ねてできた”という特徴から、「品字様(ひんじよう)」と呼ばれる漢字グループの一員です。
このタイプの漢字は、中国や日本の古典文化の中で、美的・象徴的に好まれて使われてきました。
たとえば、次のような漢字があります。
| 漢字 | 読み方 | 構成 | 意味・特徴 |
|---|---|---|---|
| 磊 | らい | 石×3 | 度量が広く、豪放な性格 |
| 淼 | びょう | 水×3 | 水が広くあふれる様子 |
| 猋 | ひょう | 犬×3 | 犬が勢いよく駆ける様子 |
| 惢 | そ | 心×3 | 複雑な感情・心の重なり |
| 鑫 | きん | 金×3 | 財運や商売繁盛を象徴 |
これらも変換で出にくいことが多いため、「㐂」と一緒に単語登録しておくととても便利です。
和風のデザイン、書道、飲食店のメニューなど、独自性を出したい場面でこのような漢字を使うと、目を引くアクセントになります。
自作辞書を作って文字を管理しよう
さらに、「㐂」やレア漢字をまとめた“自作辞書”を作るという方法もあります。
これは、辞書ツールに自分がよく使う文字と読みをまとめて登録してしまうことで、PCやスマホでの入力を一括で効率化する方法です。
たとえば、次のように登録しておけば、毎回探さなくてもスムーズに使えます。
| 読み | 単語 |
|---|---|
| きじゅ | 㐂寿 |
| らい | 磊 |
| きんうん | 鑫 |
WindowsやMac、スマホでも辞書登録機能を使えば、独自の「変換環境」を構築することができます。
Google日本語入力やATOKを使えば、辞書データのエクスポートやインポートも可能なので、複数端末で共有することもできますよ。
「㐂」を仕事や趣味で頻繁に使う方は、こうした“仕組み化”によって入力の手間を最小化しておきましょう。
まとめ:特殊文字「㐂」の入力は案外カンタン
ここまで、特殊文字「㐂」について、その意味や由来、そしてスマホやパソコンでの具体的な入力方法を丁寧に解説してきました。
この記事を読んでくださったあなたは、もう「㐂」に振り回されることはないはずです。
では最後に、この記事の重要なポイントを再確認しながら、より賢く「㐂」を使いこなすためのコツをまとめておきましょう。
スマホでも工夫すれば「㐂」は入力できる
「㐂」は普通の変換では出てきませんが、それだけで「打てない漢字」と諦める必要はありません。
以下のような工夫で、スマホでもしっかり入力可能です。
- 手書き入力:GboardやSimejiなどのキーボードに備わった手書き機能を活用
- コピー&ペースト:あらかじめ「㐂」をどこかに保存しておいて、必要なときに貼り付ける
- 辞書登録:一度「㐂」を登録しておけば、好きな読みで呼び出せる
つまり、スマホでも工夫すれば「㐂」はスムーズに使える実用文字になるんです。
パソコンは「単漢字」や文字ビューアで探すのがコツ
パソコンでは、スマホより入力方法が柔軟ですが、それでも「㐂」がすぐに出てくるわけではありません。
以下の方法が特に効果的でした。
- Windows:「よろこぶ」と入力後、変換候補の中にある「単漢字…」を開いて探す
- Mac:「文字ビューア」を使い、「㐂」と検索して挿入
また、入力できてもフォント環境によっては表示されない場合もあります。
その際は、別のフォントに切り替えたり、他のアプリで試すことで回避できます。
単語登録で日常使いを“当たり前”に
最も強力な解決策が単語登録です。
スマホでもパソコンでも、自分が使いやすい読み方(例:「き」「きじゅ」「ななみっつ」)で登録しておけば、何度でも簡単に呼び出せます。
しかも一度設定すれば、以後は特別な操作なしで「㐂」が使えるようになるのが大きな魅力です。
「㐂」は特別感のある漢字。だからこそ使いこなせば武器になる
「㐂」は、パッと見では読めない人も多く、まさに“知る人ぞ知る”文字。
だからこそ、この漢字をスムーズに使いこなせるだけで、文章やデザイン、名前に独特の品格や知性をプラスできます。
和風デザインにこだわる飲食店、縁起を大事にする贈り物、あるいは長寿のお祝いなど、
「㐂」は“場面を選んで輝く”文字です。
今後、あなたがこの文字を使う場面で、この記事が小さなお守りのような存在になれば幸いです。

